研修先の農家を選ぶときに気をつけること

研修先農家を選ぶ場合、最も大事なことは、自分が将来目指すような形の農業をやっている農家を選ぶ、ということです。これは、農業法人であれ、大規模農家であれ、変わりはありません。

問題は、本当にその農家が、自分のなりたい将来像か見極めるのが、なかなか難しいということです。

栽培作物に関しては、見れば分かります。トマト栽培をしている農家と、キュウリ栽培をしている農家を見間違える人はいません。

問題は、経済的な側面です。新規就農者の目標が年収400万円だとすれば、研修先の農家は年収400万円以上の人が望ましいです。

注意しなければいけないのは、農家の中には「年収」「年商」の区別がついていないケースが、かなりあります。年商(総売上)1000万円で、経費が600万円ならば、年収は400万円になります。

しかし「年収」をたずねているのに「年商」を答える農家は多いのです。「年収」1000万円と自称していた農家が、現実は「年商」1000万円であり、利益は400万円程度だった、という話は、よくあります。

また、経済的な側面から見る場合の、もう一つの注意点は、その農家では、どれくらいの労働力が使われているか、ということです。多くの農家は、家族労働はタダだという観念があります。

本人・配偶者・両親の4人がかりで、年商1000万円・年収400万円なのか、本人のみで年商1000万円・年収400万円なのかは、随分違います。稼いでいる農家がいたとしても、その労働は一体、何人の労働によってもたらされているのかを、よく注意して見ないといけません。

極端なことを言えば、農家の経済的側面を判断する指標は、ただ一つだけでいいのです。それは「時給」です。

その農家では、1人が1時間働いて、どれくらいの「利益」を あげているのか。農家の優劣をつけるとすれば、ここだけです。

年間3000時間働いて300万円の利益をあげた農家は、 「時給1000円」の仕事をしています。
年間1000時間働いて300万円の利益をあげた農家は、 「時給3000円」の仕事をしています。

どちらの農家で研修を受けたいかは、一目瞭然です。農家の経済的指標は、年商でもなく、年収でもなく、その農家がどれだけの「時給」を得ているかで判断してください。

とはいえ「あなたの時給はいくらですか」と聞いて、すぐに答えられる農家は、ほとんどいないと思います。普通の農家が把握しているのは、年収と経費くらいのものですから、あとは「1日どれくらい働いていますか」「何人でやっているんですか」などの質問を、あなたから問いかけて、あなた自身が農家の時給を計算しないといけません。

もう一点、注意しなければいけないのは、研修を受けようとする場合に、農家の中には、研修生として雇い入れるまでは良い顔をしておいて、研修生となった途端に労働力としてこき使うという人もいる、ということです。

対策としては、そこで研修を受けた経験者に話を聞くくらいしか、ありません。また、いつでも辞められるような立場でいることが大切です。あなたが、研修が役に立つものではないと判断すれば、すぐに辞めることを、おすすめします。

もちろん、ほとんどの農家はいい人ですし、まずそのような危険はありませんが、一部にはそういう農家もいるということは、覚えておくべきです。

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