各種農業団体の違いと利用法

新規就農を目指す方は、多かれ少なかれ、行政組織を利用することになります。
しかし、農業に縁の無い者にとっては、どの組織を利用していいのかも、分かりません。全農、総合農協、農業委員会、農業会議、農業公社、青年農業者等育成センター、農業普及センター・・・、違いがすべて分かるという人は、少ないと思います。

ここでは、それぞれの組織の違い、新規就農にとっての利用法の違いなどを、説明していきます。



農業共同組合

俗に言う「農協」「JA」というのは略称であり、正式名は「農業共同組合」です。
「農協」「JA」「農業協同組合」、すべて同じ組織のことです。

農協では、組合員に対して「農業資材の販売」「農作物の集荷・販売」「営農資金の貸し出し」「生命保険などの保険事業」等、農業に限らず、生活全般に関わる幅広い事業を行っています。地域の組合員に対して、このような事業を行う農協を「総合農協」といいます。別名「単位農協(単協)」「地域農協」と称されることも、あります。

地域名がそのまま農協名になるとは限りません。例えば、東京都葛飾区にある農協の場合、「葛飾農協」ではなく「東京スマイル農協」という名称になっています。

「総合農協」は、各都道府県に約20箇所程度、全国では800以上の総合農協が存在しています。総合農協の上部組織として、都道府県レベル、全国レベルの「連合会」と呼ばれる組織もありますが、実際に新規就農者に関わる組織は、各就農地の「総合農協」になります。

各種の制度資金を借りる場合にも、総合農協が窓口になる場合が、多いです。
また、国や県レベルの制度資金以外に、農協が独自で行っている金融事業も存在します。

農協の正組合員になるためには、主たる仕事が農業であることとなっていますが、実際には組合員資格のチェックは行われていません。農業を営んでいない正組合員も多数いるのが、現状です。農協の正組合員は、全国で約500万人になります。




農業委員会

市町村に設置されている行政委員会であり、農地の斡旋、有効利用などを業務としています。また、地域の農業の担い手を育てることも業務の一つとしており、市町村が行う農業研修事業には、少なからず関わっています。

新規就農者にとっては、農地を取得するにあたり、必ず農業委員会の世話になることになります。農業委員会の認可無しに、勝手に農地を購入したり、借りたりすることは、出来ません。

原則的に、一市町村に一農業委員会の設置が義務付けられているのですが、面積の広い市町村では複数の農業委員会が存在し、また都市部では農業委員会が存在しないこともあります。



農業会議

農業会議には「全国農業会議所」と「都道府県農業会議」という組織があり、新規就農射への情報提供も業務の1つとしています。東京や大阪で行われる「農業人フェア」などのセミナーを主催 しているのが、全国農業会議所になりま
す。

各都道府県にも農業会議所が設置されており、県内への新規就農にあたり、情報提供や、研修先の紹介なども行っています。各都道府県に、一つの農業会議所が設置されています。




都道府県青年農業者等育成センター

県知事によって設置された公益法人であり、新規就農者への支援を主な事業としています。資金の貸し出し、研修先の紹介など、さまざまな新規就農者への支援を行っています。

農業会議と違い、都道府県によって名称は異なります。秋田県であれば「秋田県農業公社」、三重県であれば「三重県農林水産支援センター」、長崎県であれば「長崎県農林水産業担い手育成基金」といった名称になります。

都道府県によって、新規就農者支援の主体が「農業会議」であるか「都道府県青年農業者等育成センター」であるかは、変わってきます。



農業公社

都道府県レベルでの農業公社のほかに市町村レベルでの農業公社もあります。

主な業務は、農地の流動化、新規就農者の支援などです。農地の貸し借りを円滑にするために、貸し手と借り手の間に農業公社が入る場合もあります。貸し手は農業公社に土地を貸し、農業公社が借り手に農地を貸すことにより、貸し借りによるトラブルを減少させる役目を担っています。

農地の貸し借りの仲介を行うのは「総合農協」「普及所」「農業会議」などではなく、「農業公社」の業務になります。貸し借りの認可は、「農業委員会」が行います。




普及所(農業普及指導センター・農林事務所・地域振興センター等・・・)

農業に関する国家資格で「普及指導員」というものがあります。農業のプロであり、地域の農業者に対して、栽培方法などを指導する役割を果たしています。

普及指導員は、地域の普及所と一般的に呼ばれている部署に属し、地域の農業者に対し指導を行うことになります。新規就農者に対し、地域の新規就農事情なども詳しく教えてくれます。新規就農者にとっては「農業会議」が窓口だとしたら、「普及所」は奥の間になるというイメージです。

「普及所」は、地域によって名称が変わります。「農業普及指導センター」「農林事務所」「地域振興センター」など、さまざまな名称があります。農業技術に関しては最も詳しい知識を持っているので、栽培に関する具体的な相談なども行えます。

具体的な農業技術に限らず、借り入れられる資金について、使用できる補助制度についてなど、さまざまなことを相談できます。当然、相談料などはかかりません。

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