高知県でショウガ・ニンニク・カボチャ・稲など栽培しているIさんの話

Iさんは高知県の非農家出身。東京から高知に帰郷したのが27歳のときです。

約1年半の研修を受けた後、有機無農薬農業をはじめました。

栽培作物は、ショウガ・ニンニク・カボチャ・稲作等。



Q.01 就農前はどこに住んでいましたか。

東京です。出身は、すぐ隣の中土佐町です。実家は非農家です。



Q.02 就農前の仕事は何ですか。

7年間フリーターをやっていました。収入は、月に20万くらいでした。



Q.03 家族構成を教えてください。

就農したときは独身でした。現在は結婚して、娘が1人います。



Q.04 現在、農業収入はどのくらいありますか。

去年は赤字です。売上も数十万円しかありません。というのは、ショウガを昨年の11月に収穫して、その収穫したものを今年、売っているんです。
だから、去年は売るものが、ほとんど無かったんです。

今年は、このままでいったら、売上が550万円、所得が200万円くらいになると思います。



Q.05 現在、農業以外の収入はありますか。

ありません。





Q.06 休みを決めてとっていますか。

決まった休みは、ありません。雨が降ったら休むということは、あります。



Q.07 長期休暇をとろうと思えばとれますか。

今年は無理です。



Q.08 忙しい季節は、いつ頃になりますか。

4月~6月です。一番忙しい5月ごろなんか、それこそセブンイレブンみたいな働き方です。(笑)



Q.09 暇な季節は、いつ頃になりますか。

12月~2月です。このころは、来年の打ち合わせの話をしに行って、畑仕事は半日だけということもあります。



Q.10 現在、具体的に、どのような作業をしていますか。

うちは、出荷している品物が貯蔵ものばかりなんです。ショウガ・ニンニク・米 などですから。
ですから、午前中は出荷をして、午後から畑に行くとか。夏場ですと、朝は畑 仕事をして、昼に出荷をして、夕方涼しくなってから畑仕事をするとかです。

5月は、ニンニクの芽を出荷するし、田んぼもあるし、ショウガの世話もあるの で、そのころは目まぐるしく、一日中働きます。出荷を夜の11時くらいまで、 やることもあります。朝は7時から働きます。




Q.11 栽培作物と、栽培面積を教えてください。

ショウガが50アール。米が70アール。カボチャが30アール。
秋にはニンニクが15アール。メインはそんなものです。



Q.12 栽培作物はすべて有機無農薬栽培ですか。

うちの場合は、今年は普通のショウガも作っています。
今年やっているショウガの面積のうち半分は、慣行農法の、普通のショウガで す。あとは有機無農薬栽培です。



Q.13 現在住んでいる家は、どのようなところですか。

農家仕様の家で、間取りは4K くらいですかね。家賃は月に5000円です。




Q.14 農業を志してから、現在までのいきさつを教えてください。

東京でフリーターをしていたんです。良く言えば、やりたいことを探して考える毎日という感じだったんですけれど。一生やっていける仕事で、本当に自分が のめり込める仕事がやりたいという想いは、ずっとあったんです。

そんなときに、高知で有機農業をやっている山下一穂さんの本『超かんたん無農薬有機農業』を読んだこともあり、それもきっかけの一つです。有機農業 というのも、面白いかなと思ったんです。

農業じゃなくても、良かったといえば良かったんです。やりがいのある仕事がし たかったんです。その中で農業というのが出てきたんです。東京でずっと生活 するのも嫌だなと思っていたので、高知に帰っても出来る仕事として、農業がいいなと考えました。



Q.15 移住地は、もともと高知と考えていたのですか。

高知以外というつもりは、なかったです。最初は勉強のつもりで帰って来たんです。ずっと東京にいるわけにもいきませんし。

どういう土地がいいかは、特に考えていなかったんです。もしも高知で出来な いということであれば、よその土地に行ったかもしれないし、別の仕事をやろ うと考えたかもしれないです。


Q.16 研修先はどのように理由で選びましたか?

研修先はたまたま近くにあったというのが、きっかけで選びました。



Q.17 独立後の農業形態を決めたのは、いつごろでしたか。

アルバイトをしている間に、どういう形態でやればいいかなというのを、自分なりにも考えてました。
村上さんと、農業の形態は似ていると思います。



Q.18 就農するまで、農業経験はありましたか。

ゼロです。






Q.19 就農前の仕事・学業などの経験で、農業に役立っていることは、ありますか。

あえて言えば人との関わりでしょうかね。そういう中で知ったことは、役に立っ
ているんじゃないでしょうか。これといった技術でも何でもないんですが。



Q.20 就農前に農業に抱いていたイメージは、農業を始めてみて変わりましたか。

農業をやるということが頭に浮かぶ前は、農業といったら、隠遁生活というイ メージだったんです。昔からの農家は別ですけれど、僕らのように農業を新し く始めるということは、隠遁生活というイメージがありました。
東京から高知に帰って農業というのは、隠遁するような気がしていたんです。

やり始めたら、ずいぶんイメージが違いました。一番びっくりしたのは、すごく 質の高いことを要求される仕事というんでしょうか。
生半可なことでは食べていけないです。

実際に生き残っている先輩農家というのは、すごいなと思います。自分がやっ ていく上でも、思った以上の努力をしなきゃいけないですし、高いレベルに持 っていかないと、たしかに食べていけないと思いました。



Q.21 研修先では何をしましたか?、

特に何もしていないです。(笑)
自分が植えたいものがあったら植えてみて、それを収穫まで世話してみてという流れがあるんですけれど。そ




Q.22 研修を受けた作物は、どのようなものですか。

ショウガと米が主な作物でした。





Q.23  研修中の収入は、ありましたか。

平均で7~8万円くらいは、ありました。



Q.24 研修中は、どこに住んでいましたか。

もう、今の家に住んでいました。
もともと空家で、その家を紹介していただいて、入ったんです。



Q.25 研修中は、どのような作業をしていましたか。

作業は全般にわたり、やらせてもらいました。時間は8時~17時で、休みも頼めば、結構自由にとらせてもらいました。研修期間は1年半です。



Q.26 研修は役に立ったと思いますか。

非常に役に立ちました。



Q.27 1年半という研修期間は、長いと思いますか、短いと思いますか。

十分な期間だと思います。ただ、どうしても長く研修をしていると、自分の貯金は目減りしていくので、あまり長く研修をしていると後が苦しくなります。

1年くらいやったら次に進んだほうが、自分のためにもいいと思います。





Q.28 初めて農業をやってみて、肉体的なきつさは、ありましたか。

あまり無かったです。



Q.29 独立時に、農業に使う自己資金は、ありましたか。

ほとんどなしです。



Q.30 資金の借り入れをしましたか。

就農準備資金を200万円借りたのと、就農して1年目に就農施設等資金を167万円借りました。あと、トラックとトラクターはローンで買っています。

設備投資は700万円くらいです。大きいものとしては、コンバイン・乾燥機・籾摺り機、これを地元の農家さんから全部で、100万円で売ってもらったんです。

トラクターは200万円、トラックが100万円。動力噴霧機・運搬車・予冷庫などを、167万円の就農施設等資金で買っています。

その他にも細々といろいろ買っているんで、全部で700万円くらいです。





Q.31 土地の借り賃はいくらですか。

反あたり1升から1俵まであります。
僕は最初「反当たり1升でいい」と言われて、日本酒を持っていきましたよ。
そしたら、お酒じゃなくて、米で1升だったんですが。(笑)



Q.32 現在の畑は、どのようにして手に入れましたか。

先輩農家さんから紹介してもらいました。



Q.33 現在の売り先は、どこですか。

NPO 法人に、主に出しています。あと、十和のほうに有機農業者ネットワークグループがあるんです。そこを通じて出しています。
それと、生協が主ですかね。

どの売り先も、四万十流域の先輩農家さんから紹介してもらいました。



Q.34 農業の中で経営部分は、どのくらいを占めると思いますか。

割く時間ではなく、重要度でいったら、生産面が3割・販売面が7割くらいかもしれません。まだ自分で販売はしていないので何とも言えませんけれども。

自分で売っていこうとしたら、販売面にかなりの時間を割かないといけないと 思うんです。

ですから、僕の場合は、販売面はグループなりでやっていくというのが、一番 いいんじゃないかと思っています。



Q.35 将来の販売方法について、考えていることはありますか。

大きく分けたら、個人のお客さんに直接という方法と、卸業者を通じてという 方法があると思うんです。

僕は、個人というよりも卸業者を通して、自分がある程度の量を作って売っていくという売り方をしたいです。



Q.36 研修を終えて独立して、1人でやってみて、つらかったこと・楽しかったことな どは、ありますか。

人にもよると思いますけれど。面白いことでもあり、しんどいことでもあるのが、自分1人でやるとなると、決断の連続というか、全てが自分に返ってくる ことですから。これがいいのかどうかという判断に、すごいエネルギーが要る と思います。でも、それが面白いところでもありますから。

体力面では、そんなにつらくないです。正直、研修でやっていたときと比べて自分のことだと1.5倍くらい仕事が出来ます。気持ちが違うんですかね。

雇われてやっているときには、しんどいと思う作業でも、自分の畑でやったら違いますね。そんなことを思っている暇もないのかもしれないですし。



Q.37 自然災害で、大きな被害を受けたことは、ありますか。

去年は秋の台風で、15アール植えていたゴボウが全然出来ませんでした。



Q.38 自然災害に備えて、保険に入っていますか。

入っていません。




Q.39 おすすめの農作業グッズは、ありますか。

除草鎌にはこだわりがあって、ホウレンソウ鎌を使っています。

これは何がいいかというと、先まで刃がついているんです。900円くらいするんですけれど。200円くらいの安い鎌だと、先まで刃がついていないんです。
一番使うのが先のところなので、お気に入りです。

道具は、なるべくいいやつを使いたいですね。手仕事用の道具は、少々高くても、そんなに金額が違うわけじゃないですから。ずいぶん能率が違うと思います。特に有機無農薬栽培をやるんだったら違いますね。



Q.40 好きな農作物・嫌いな農作物は、ありますか。

一発ものが好きで、成りものが嫌いです。(編注:トマト・ナス・オクラなど、一つの木から幾つも収穫するものが、成りもの。収穫したら後に残らないハクサイ・ダイコンなどが一発もの)



Q.41 農業について将来の目標は、ありますか。

休みをとれるようになることです。もちろん、自分のところが食べていけるやり方が確立できた上での話ですが。夏休みぐらい、とりたいですね。

もう一つは、地域おこしになるような活動につながっていけば、いいと思います。加工品であったり、地域ブランドを確立したり、それに生産者として関わ れたらいいですね。

また、加工や販売に関わるような形も、いいなと思っています。まあ、それはまだ現実的なことではないですけれど。




Q.42 農業についての課題は、どのようなことがありますか。

基本的に作物が採れるか採れないかは、天気任せですからね。

きちんとした段取りを組んで、適切な時期に作業をこなしていく。そうすれば、おのずと、最低限の結果は得られるかなと思います。
質と量、ともに70点は毎年とるというのが、目標です。



Q.43 現在、1年間にわたり具体的にどのような農作業をしていますか。

2月には、ショウガの畑・田んぼなどの荒起こしをやります。
3月にはショウガの植えつけ準備が始まります。

4月にショウガを植えつけます。
5月にニンニクの芽の出荷、5月末にはニンニクの収穫があります。
また、カボチャの定植もこのころ始まります。

6月に代掻き・田植えです。あと、ニンニクの出荷が始まります。
7月・8月にショウガの管理をします。
あと、カボチャの管理。田んぼの水管理。草刈りなどです。

9月にニンニクの植えつけ準備です。
9月末から10月頭にかけてニンニクの定植です。あと、稲刈りがあります。

11月に、ショウガの収穫があります。
12月・1月は、ニンニクの除草作業。葉ニンニクの出荷です。

ショウガの出荷は1年にわたり、ずっとやっています。



Q.44 移住にあたり不安はありましたか。

もともと出身がここの近くなので、不安はありませんでした。
僕も、就農した人の体験談などを、いろんなパンフレットなどで目にしていたんですけれど。僕は、その点は有利だなと思いながら就農しました。



Q.45 田舎暮らしを希望して移住する人を、どう思いますか。

農業をやりたいといって都会から来る人の中で、「田舎暮らし」を先にイメージして来る人だと、実際の農業の仕事は、その人が思っているよりも厳しいかなというイメージは、あります。
農業を「仕事」としてとらえて移住してくるのであれば、大丈夫だと思います。



Q.46 都会の人が、この地域に住もうと思ったら、どういう方法がありますか。

難しいんでしょうね。さしあたり僕が言えるのは、僕もかかわっている「NPO 法人」は、新規就農者をバックアップするための組織として運営しているので、出来る限りの手伝いをするということで活動しています。

ただ、それは農業経営をしていく人を応援するということなので、田舎暮らしがしたいというだけの人は、お断りしています。

こういう組織が他の地域にもあるのなら、こういう組織が一番強いんじゃないかと思います。本当に親身にしてくれるし、役場に聞くよりは実質的な情報を提供してくれると思います。



Q.47 移住先を探すにあたり、何か注意することは、ありますか。

自分がどれだけやれるか。やってやるという気概のある人には、面白い職業だと思います。
「田舎暮らし」をしたいという人は、別の職業をするつもりで来たほうがいいと 思います。



Q.48 農業というのは、どういう仕事だと思いますか。

歩兵の体力が必要で、経営者の目と頭が必要だと思います。
気持ちとしては、経営者の気持ちでスタートしないと、厳しいんじゃないかと思います。

今は若い人の起業もブームですけれど、そういうとらえ方のほうが、正しいんじゃないかという気がします。就農イコール田舎暮らしというよりも、就農イコール起業という気持ちじゃないと、続いていかないと思います。



Q.49 農業を始めるにあたり、自己資金は必要だと思いますか。

あればいいですね。家族のあるなしによって変わりますけれど、1年間の生活費は必要です。

それに、僕の考えですと、自己資金だけで全てまかなうのは不可能だと思います。何の事業を始めるにしても借金をして始めるじゃないですか。自己資金で全てをまかなえる人なんて、たぶんほとんどいないと思います。

僕は、自分の道筋として良かったなと思うのは、先輩農家さんのところでアルバイトなり研修なりをして、じっくり考えた上で、借金をする算段もして始めたということです。
それが出来るのであれば、可能かなと思います。



Q.50 全く自己資金が無いけれども就農したい人には、何とアドバイスしますか。

これは、無責任には言いにくいところですね。実際、難しいと思います。すごく難しい。僕は、実家がこっちにあったという部分もありますから。「あきらめたほうがいい」と言いたいです。



Q.51 就農するにあたり、農業の勉強・研修は必要だと思いますか。

公共の施設に、あえて行く必要は無いです。公(おおやけ)の研修施設みたいなところで1年過ごすのは、時間の無駄じゃないかと思います。
そういうところで研修を受けるのであれば、雇ってくれる農家に行ったほうがいいです。



Q.52 研修は、どのくらいの期間必要だと思いますか。

1年です。1年研修をして、翌年の春に就農できれば、一番いいと思います。



Q.53 研修先の農家を、どのように知る方法がありますか。

県の施設などに一旦行くというのは、いいと思います。ちょっと矛盾しているみたいですけれど。そういう意味では、県がやっている施設などは、役に立っ ていると思うんです。

そこで教えていること自体は、農業を全くやったことの人間に教えたところでそれほど身につくものじゃないです。ただ、そういう施設の人が、いろんな農家さんを知っていて、そこに見学に連れて行ったりするんです。
そういうパイプを持っているので、それをもっと生かしてほしいと思います。

見学に行った先の農家さんで、ここがいいと思うところがあれば、自分で連絡とるなりして、雇ってくれないかと頼むという手もあるでしょうし。



Q.54 新規就農者が栽培作物を選ぶにあたり、注意することはありますか。

一番いいのは、その土地で産地化されているような作物です。
この土地ですと、ショウガです。これから先も、ショウガは、うちの経営の柱になると思うんです。そういう目で就農先を選んだら、効率がいいと思います。

土地によって作物は変わります。例えば高知県の春野町で就農するんでしたら、露地の有機農業といっても、現実的に難しいでしょう。春野町で就農するなら施設栽培のキュウリやナスということに、なると思うんです。



Q.55 農業に向いている性格は、ありますか。

ぼーっとした人は駄目でしょうね。
農家の人を見渡しても分かると思うんですけれど、気の長い人って、基本的に、いないんですよ。キビキビしている方がいいと思います。



Q.56 新規就農する場合、何歳までにやったらいいと思いますか。

できれば20代のうちですね。僕が思っていたのは、30歳までに道を見つけたいなと思っていて、35歳になったときに、その道である程度やっていけていないと、先は暗いと思っていたんです。

僕が高知に帰って来たのが27歳のときだったので、ちょうど良かったかなという気はします。20代のはじめでは、なかなか、借金して、いろいろ算段してというのが、しんどいかなとも思います。ある程度、ものが分かってきたところで、なるべく早く、ということです。

1回就職して、何となくこの会社が嫌だな、なんて思ったときには、農業という道を考えてみるのもいいんじゃないかと思います。



Q.57 農業を始めても役に立つ、前職の職業・資格・特技などは、何かありますか。

土方なんかをやっている人は、すごく役に立つと思います。半分、土方みたいなものですから。実質上、すごく役に立ちます。

何でもいいと思いますよ。営業をやっていた人だったら、僕らが知らないようなスキルもあるでしょうし。経理の人だって、そうですし。

作物をつくる肉体労働から、経理をこなすこともありますし、営業をすることもあります。全部が一緒になっていますから。何かしら、自分がやっていた分野のことが、当てはまることがあると思います。

フリーターみたいなのが、一番良くなかったと自分は思っているんですけれど。(笑)それでも、やる気と体力さえあれば大丈夫です。



Q.58 農業や田舎暮らしをする上で、読んでおいたほうがいい本は、ありますか。

山下一穂さんの『超かんたん無農薬有機農業』は、読んで気持ちが軽くなりました。やってみようというか、乗せられるというか、そんな感じはしました。

本は、始めてから、いろいろ調べたいことを調べたらいいんじゃないですか。



Q.59 100人の新規就農希望者がいるとすると、結果、100人中何人が農業で生計を立てられると思いますか。

3人かもしれないし、30人かもしれない。環境さえ整えば、増えるかもしれません。現状ですと、1桁かもしれません。
僕自身としては、就農を決意した時点でかなり前進していると思うので、あきらめさえしなければ、いけるんじゃないかと思います。



Q.60 移住前に、都会でやっておいたほうがいいことは、ありますか。

家族がいるのであれば、家族と十分に話し合っておくことです。1人だったらどうでもいいと思います。
若かったら、飛び込んで失敗しても、借金さえ抱えていなかったら、いつでもやめられますから。



Q.61 農業を始めて何年くらいしたら、収入が安定すると思いますか。

最低3年ですね。僕は研修も含めたら、去年で3年やったような感じですけれど。安定するまでは、5年かかると思っています。

3年目で、食べられるだけの収入があったら、いいと思います。というと、2年分は貯金がないとしんどいかもしれませんね。



Q.62 独身・夫婦・子供連れ、それぞれに新規就農の有利・不利は、ありますか。

1人だったら、迷う必要もないと思います。やってみたらいいと思います。

家族連れで、小さいお子さんがいる人は、一番しんどいと思います。よほど計画して、お金もある程度持ってこないと、家族を連れての移住は、ある程度の自己資金が必要だと思います。

もしくは、移住してからも、農業以外で収入を得られる人。手に職を持っているなり、インターネットで収入を得られる人は、有利だと思います。



Q.63 新規就農者が、サラリーマン並の400万円程度の収入を得ようと思ったら、どのような農業形態が最も可能性が高いと思いますか。

難しいですね。本当に難しい。売り先を開拓できるかどうかに、ほとんどかかっているかもしれません。

収入が400万円だと、売上が600万円~700万円として、それだけの作物を「作る」ことは、可能なんです。ただ、700万円の作物を、自分で、きれいに「売れる」かどうかが、問題なんです。これは、どうしたら売れるとも言えないので答えにならないですけれど、これが正直な感想です。

僕らは、それをグループでやっていくことで、皆さんのおかげである程度クリア出来ているんです。個人で全部売ろうと思うと、難しいです。

逆に言うと、同士を集めるというか、同士に入るというか、そういうことが必要かなと思います。



Q.64 失敗したと思う体験は、ありますか。

肥料不足です。肥切れで、収穫がちょっとしかなかったんです。カボチャが、1株で2つくらいしか採れなかったんです。



Q.65 成功したと思う体験は、ありますか。

成功したという体験は、まだ無いです。改善したいことのほうが多いです。



Q.66 就農して良かったことは、どのようなことですか。

充実感です。一から十まで、自分で考え、自分で決断したことの結果が出るので、それが一番の魅力です。うまくいくにせよ、いかないにせよ。

うまくいかなかったことを、次はこうしてやろうと、常に考えられる。それは、ただ勤めていたら味わえない感覚かなと思います。



Q.67 就農して嫌だったことは、どのようなことですか。

完全に休めないんですよね、気持ち的に。心から開放されるということが、まだ出来ないんです。常に何かしらプレッシャーを感じながらいるんです。

休んだら、次の日がしんどい。心ゆくまで羽を伸ばすというのが、出来ません。



Q.68 I ターン就農を成功させるために、重要なことは何ですか。

決断力です。やるにしろ、やらないにしろ、自分が決断できるということが大事です。僕が思うには、決断した時点で、それで迷いなく進めるのであれば、そういう人は結構成功するんじゃないかと思っています。

即決できる人は、即決したら勢いがつくじゃないですか。ぐだぐだ迷っていたら、そのまま終わるだろうなと思います。



Q.69 I ターン就農希望者に、アドバイスはありますか。

農業は、覚悟のある人には、面白い仕事です。
それに、いわゆる「田舎暮らし」では生活できません。

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